誰がために

学校現場の仕事が夏休みに入り、私にとっては少しゆとりのある8月。
大人になっても夏休みがあるから・・・という理由で、「学校の先生になりたい」
と無邪気にも考えていた子ども時代を思い出しますが、
大人になるとわかるように、仕事はいつもあるんですね

今夏のミッションは、10月末から始まる男性のためのDV教育プログラム
の準備です。正式名称は、Respectful Relationship Program
(尊重できる関係づくりのためのプログラム)。
8月末にはNPO法人として認可が下りる(予定)SRRP
(Shizuoka RRP)研究会が主体となって行います。
つまりはDV加害者の方の教育プログラムなのですが、
これは加害者のためのプログラムではありません。
被害者支援の一環としての、加害者へのプログラムの提供です。
被害者支援のグループは、DVに関する知識を身につける
心理教育に加えて、“ケア”をメインとしているのに対して、
このRRPプログラムは心理教育がメインです。
プログラムの要は、プログラムを提供するファシリテーターが
男女ペアであることです。
ファシ自ら、“尊重できる関係”を示し、参加者にも肌で感じてもらう
ことが最大の目的なのだと思います。
被害者の方が安心感を持ち、安全に暮らせるようになるためには
加害者の方がDVを自覚し、積極的に変わっていくことが必要です。
どう変わっていけばよいのか。
どうすれば、尊重し合える関係を築けるのか。
DVに関して、加害者の果たすべき責任は3つあります。
1.まず、自らのDVを認め、相手が怒らせたから暴力をふるったのではなく、
自分がどうしてそう考えるにいたったのか。それを相手がどう感じているのか。
これらを振り返り説明すること。
2.謝罪し、相手にとっての傷や損害を回復するための
償いをすること。
3.そして、二度とDVを行わないための学びと
それを見せていくこと。 (参考 藤岡,2006)
これを実践し続けていくこと、変わり続けていくことが
被害者の安全と安心感を取り戻し、
対等なパートナーシップを築くためには欠かせません。
誰のためになるのか。
被害者のために、子どもたちのために…
最終的には自身にも返ってくることになるのではないか
と思えます。
そして私たちのような支援者にとっても。
何よりもRRPプログラムに関わるようになって思うのは、
私自身の夫婦や家族との関係もまた
変わり続けているということです

ここに関わるすべての人々が
信頼で結ばれていくことを願ってやみません

しずおかRRPプログラムについて、詳細を知りたい方、
参加を希望される方は
srrp.ken@gmail.com
SRRP研究会までご連絡ください
